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人生100年時代の活力をつくる医学マガジン

総合内科専門医・法務省矯正医官 大多和 史絵 先生

総合内科専門医・法務省矯正医官
大多和 史絵 先生

 私は現在、矯正医療に携わっています。簡単に言えば“刑務所のお医者さん”。患者は被収容者、つまりは、法を犯した人々です。

 食・睡眠・ライフスタイルのすべてが人体に及ぼす影響は抗加齢医学会でもたくさん教えていただきましたが、刑務所の中ではまさにそれを痛感します。

 罪を犯して入所した人々は往々にしてとても老けて見えるのです。そもそもが昼夜逆転の自堕落な生活や喫煙、過量の飲酒、覚せい剤など悪の限りの暮らしぶりですから、白髪、肌の質、血管の硬さなど、どれをとっても年齢よりも老化しています。

 そんな彼らですが、服役すると当然ながら禁煙禁酒。朝晩は規則的に寝起きし、栄養バランスの良い食事を取って運動と労働を行う暮らしを始めると、あらどうでしょう!驚くくらいに肌は透き通り、張りも出て活き活きとしてくるではありませんか。嫌な体臭なども見事に消えてなくなりますし、メンタル面にもいいようです。

 そんな日々の小さな発見から『プリズン・ドクター』(新潮新書)なる本まで書いてしまいました。塀の中であっても患者さんから教わることは多いのです。

 次回のコラムでは、マリーゴールドクリニック 院長 山口 トキコ先生のお話をお聞かせいただきたいと思います。

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