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第22回 日本抗加齢医学会総会 教育講演2「ダイレクトリプログラミング技術の多様な神経疾患への治療応用」講演動画

6月18日(土) 第1会場(5F メインホール(大ホール)) 9:30~10:00
座長:布村 明彦(東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科)

ダイレクトリプログラミング技術の多様な神経疾患への治療応用

山下  徹
岡山大学大学院脳神経内科

 これまでに我々はダイレクトリプログラミング法を用いて皮膚線維芽細胞から神経系細胞(iN細胞)を直接誘導する実験系を確立し、マウス皮膚線維芽細胞より直接的に誘導されたiN細胞を脳梗塞マウスモデルに細胞移植を行い、その治療効果と安全性を報告してきた(Yamashita et al., Cell Transplant., 2017)。さらに、脳梗塞マウス脳内グリア細胞から脳内で直接的に神経系細胞を誘導することにも成功し報告している(Yamashita et al., Sci. Rep., 2019)。 ただ、これまでの導入方法では、脳定位固定装置下でウイルスを脳実質内に注入するため、侵襲が大きく、投与範囲も限定的であった。そこでこの問題を解決するために現在当科ではAAV-PHP.eBと呼ばれる血液脳関門を容易に通過できる。アデノ随伴ウイルスベクターを用いることで、経静脈的投与で脳内グリア細胞を神経系細胞に高効率に直接的誘導をする新規in vivoダイレクトリプログラミング法の開発を進めている。この経静脈的投与によるin vivoダイレクトリプログラミング法の有効性や発展性、また脳梗塞だけでなく他の認知症や神経変性疾患への治療応用への展望を議論したい。

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