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第22回 日本抗加齢医学会総会 教育講演4「長寿社会におけるテストステロン測定の意義と補充療法の可能性」講演動画

6月19日(日) 第1会場(5F メインホール(大ホール)) 11:20~11:50
座長:柳瀬 敏彦(医療法人社団誠和会牟田病院)

長寿社会におけるテストステロン測定の意義と補充療法の可能性

堀江 重郎
順天堂大学大学院医学研究科泌尿器外科・遺伝子疾患先端情報学

 テストステロンとその代謝物の作用は広い。成人においては、テストステロンは筋肉の量と強度を保つのに必要であり、また内臓脂肪を減らし、造血作用を持ち、また性欲を起こす。 テストステロンは集中力やリスクを取る判断をすることなどの高次精神機能にも関係する。一方テストステロン値が低いとインスリン感受性が悪く、メタボリック症候群 になりやすく、また性機能、認知機能、気分障害、内臓脂肪の増加、筋肉量の減少、貧血、骨密度の減少を生じ、男性のQOLを著しく低下させる。 成人男性のテストステロン値が低下することによる症候を late onset hypogonadism (LOH症候群)と呼ぶ。60歳以上の男性の約20%はLOH症候群の可能性がある。したがってLOH症候群は実は男性に極めて多い疾患である。テストステロンが低いと、活力と性機能が損なわれ、フレイル・サルコペニアのリスクが高まりQOLに大きな影響を与える。また死亡リスクが高くなる。LOH症候群の治療の基本はホルモン補充療法(ART)である。ARTにより、筋肉量、筋力、骨密度、血清脂質プロフィール、インスリン感受性、気分性欲、健康感の改善が認められる。ARTにより前立腺癌が生じることは短期的には少ない。ARTはADLの向上や生活習慣病の予防、介護予防に働く。テストステロンレベルのスクリーニングと治療のエビデンスについて詳しく紹介する。

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