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第22回 日本抗加齢医学会総会 教育講演5「アンチエイジングを意識した女性の健康包括的支援」講演動画

6月19日(日) 第1会場(5F メインホール(大ホール)) 11:50~12:20
座長:望月 善子(医療法人もちづき女性クリニック)

アンチエイジングを意識した女性の健康包括的支援

平池 修
東京大学医学部附属病院女性診療科 准教授

 抗加齢医学とは「加齢という生物学的プロセスに介入を行い、加齢に伴う動脈硬化や、がんのような加齢関連疾患の発症確率を下げ、健康長寿をめざす医学」であると、本学会HP上で定義されている。女性は加齢に伴い、特に周閉経期以降にいわゆる更年期症状が出現するだけでなく、高血圧を含む心血管系異常、脂質異常症、骨粗鬆症、生殖尿路系疾患、認知症などといった退行期疾患の頻度が増加し、それまでは男性と比較してもこれら疾患発症頻度が低かったものが、一気に男性の疾患頻度に追いつき凌駕していく。

 生殖可能年齢女性の身体防御的機転を司る物質として最有力候補は、女性ホルモン・エストロゲンである。エストロゲンの生理的作用に関する知見と、女性の健康を年齢・時期に応じて考えるライフコースアプローチは大変重要である。ライフコースアプローチは、治療介入効率を上げる一手段であり、その実践とは、各種リスク因子に対する防御を積極的におこなうことであり、それにより健康を維持するための効率を上げることが可能となり、それ以降の世代において好影響が波及するものと考えられる。

 エストロゲンは、加齢に伴いその分泌が減少するが、外因性にエストロゲンを投与するホルモン補充療法をおこなうことで、身体における好影響が期待出来る。エストロゲン投与は健康長寿を目指す上で重要であるが、副作用の懸念も考慮しなくてはならないため、各種分子生物学的知見、疫学的知見などを総合的に考えながら理知的に行う治療手段となる。

 本講演においては、エストロゲンの作用、周閉経期以降の女性のアンチ・エイジング治療としてのホルモン補充療法と、その他のエストロゲンに関連した治療手段などについて概説する。

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