日本血管生物医学会の前理事長を務めていました、東京医科歯科大学の吉田雅幸です。
血管系に興味を持ち、血管生物学と動脈硬化の両面から研究と臨床を続けています。「ひとは血管とともに老いる」という19世紀W.オスラー先生の名言をキーワードに、最近の日本抗加齢医学会では血管老化に関する講演の機会をいただいています。
実は、この名言のオリジナルは17世紀の英国の医師トーマス・シデナム先生であることを講演冒頭の掴みネタに使わせていただいていますが、両先生ともまだCTもMRIもない時代に老化する血管、固くなる血管、動脈硬化という現象を見出し、それが人間の加齢現象であることを看破されたのですから、その観察眼には敬服するしかありません。
近年のゲノム研究の臨床応用の大きな流れのなかで血管・動脈硬化に着目した抗加齢医学を進めていきたいと思っています。
次は、東京家政大学 栄養学部栄養学科臨床病態学研究室 教授 佐藤 加代子 先生にバトンを渡したいと思います。