Action!

人生100年時代の活力をつくる医学マガジン

認定医療施設「三番町ごきげんクリニック」 アンチエイジングドック体験記Vol.2:検査結果~ストレスケア編~

―前回までのお話―

“アンチエイジングドック”とは、通常の病院や健康診断と違い、悪い病気を見つけることが目的ではなく、自身の健康状態を“見える化”し、心身ともに若く健康な身体を保つためのサポートやアドバイスをいただけるものと学んだBさん。 予想以上の細かな検査内容に驚きつつ、自身の不摂生が結果にどのような影響を及ぼしているのか不安になりながらも、検査結果を伺うため再度クリニックへ訪れました。

前回のレポートはこちら

【体験者:Bさん(仮称)プロフィール】
・37歳会社員:男性
・勤務形態:デスクワーク
・平均睡眠:7時間
・運動:月に数回
・食事:自炊多め(平日は昼食のみ外食)/平日は小食・週末は大食
・飲酒:週に2回(土日)/1日あたり:缶ビール(500ml)3本、ハイボール4杯ほど。
・喫煙:なし
・気になる点:日常の食生活や飲酒による身体への影響

【事前のお話】

 クリニックに入り、手洗い~うがいを済ませると、すぐに院長の澤登雅一先生が待つお部屋へと通されました。

 そこでまず目に入ったのは、デスクに置かれた分厚いテキストです。これが検査結果の記された資料だと伺い、まず驚かされました。検査は個人に適したプランで行う為、その検査結果や分析資料の量は人それぞれとなりますが、私の場合はなんと70ページもあるのでした。

 これだけ分厚いということは、すべてのページに注意事項が記載されているのではないかと、やや及び腰で通された椅子に座ります。

 検査結果を伺う前に、まずは澤登先生から次のようなご説明がありました。

 「今回、仮に人間ドックの検査結果として見た場合、ほとんどが基準値に収まっているので、A判定として結果が戻ってくると思います。しかし、見方を変えて健康という側面から見直すと、やはり注意して貰いたいという項目は出ております」

 ”A判定“という言葉に心の底から安堵しつつ、自身の健康状態を“見える化”するというアンチエイジングドックならではの役割に、改めて気付かされます。そして、若く健康な身体を保つために何をすべきか、しっかりと学んで帰ろうと改めて思いました。

【ストレスケア~副腎を健康に~】

 まずは資料に沿って、どのような結果や分析がされているかご説明いただきます。

 白血球の数値を見ると、“リンパ球”が理想とされる40%を下回っていることがわかります。これはストレスのサインが出ているのだそうです。

 次に、ホルモンの項目より“コルチゾール”という数値を確認します。4~8が理想値と言われる中で、私の場合は11.1と高めの結果が。ここでも、ストレス過多であることがわかりました(2桁以上はストレス多めのサイン)

 この結果は決して病気ということでは無いようですが、脳がストレスを感じているということで、仮に自身で日頃からストレスを感じていない場合は、脳と心に解離が出来てしまっているので、ご注意下さいとのことでした。このような数値が出た以上は、日頃から意識してストレスケアを行わなければ、後々身体の不調にも繋がる可能性があります。

 このストレスに対抗する為のホルモンが、“DHEA-s”と呼ばれるもので、私の年代だと多い人で数値は500以上、私の場合は348という結果でした。もう少しこのホルモンの数値を高めたいところですが、その為に大切にしなければならないのが“副腎”と呼ばれる臓器だそうです。

 副腎は腎臓の上にある左右で10g程の小さな臓器で、50種類以上のホルモンを生み出す産生工場です。特に、ストレスに関係するホルモン分泌を一手に担っており、この副腎が元気でなければストレスには対応ができないという訳です。

 そこから生み出される50種類以上のホルモンの中でも、マザーズホルモンこそが先ほどの“DHEA-s”であり、このホルモンが出れば出るほど身体の機能は若々しく保たれ、修復の機能も高くなり、健康であるという一つの指標になっていくそうです(いわゆる天然のドーピング剤)

 では、この副腎を健康に保つためには、どのような栄養素が必要なのでしょうか。先生に挙げていただいた栄養素は、最強の抗ストレス物質である“ビタミンC”、そして“オメガ3”、最後に“マグネシウム”の3つです。今の私の身体には、どれだけの過不足があるのでしょうか。

① ビタミンC

 上記のグラフでは、ピンク色のラインが理想値とされる中、私の場合はまさかの約半分。私自身、多くビタミンCを摂取しているタイプではないと自覚はしていたものの、ここまでの低い数値に衝撃を受けました。
先生に原因を伺ってみると、「原因の一つとしては、やはりストレスが多いことです。副腎では、ストレスに反応してコルチゾールが作られていくのですが、このコルチゾール生成の材料がビタミンCである為に、そちらに消費されてしまっているのです」

 ここでおすすめをされたのが、月に一度の“高濃度ビタミンCの点滴”です。海外のものだと1.5万円ほどで、これが日本製となると質やお値段も変わるそうですが、人生であまり点滴を経験してこなかった私からすると、「直接体内に注入するなんてアリなの?」とつい構えてしまいます。しかしこの点滴は抗酸化作用が非常に強く、がん細胞のみを攻撃し、正常細胞には影響がないといった良いこと尽くめのお話を伺ってしまうと、健康維持の為に月1.5万円の費用は決して高くはないように思えます。

② オメガ3

 抗炎症の効果があるオメガ3ですが、上記図の“EPA”と“DHA”の値を見るとそこには警告マークが。基準値で見ると範囲内ではあるそうなのですが、理想値から見ると大きく不足していることがわかります。

③ マグネシウム

 ALPという項目を見ることで、長期的に見たマグネシウムや亜鉛の状態をチェックすることが出来ます。ここでようやく良好の文字を確認することが出来ました。

 以上のことから、私の場合、副腎の機能を保つために不足している栄養素は、ビタミンCオメガ3であることが判明しました。

このほか、ストレスを溜めない身体づくりとして、
・平日~休日でも睡眠時間(体内時計)を崩さないこと
・入浴の際にマグネシウム入りの入浴剤をいれ、肌から吸収させること。
・入浴後は脳に情報を入れないようにする(ストレッチや瞑想などを30分)
・緑黄色野菜の摂取

など、出来ることから無理なく行うことが大事とのアドバイスをいただきました。

 この日の帰宅時には、早速サプリと亜麻仁油を購入し、ビタミンとオメガ3の摂取を始め、そして普段からそれなりに料理をする私は、野菜をバランスよく取る為のレシピに日々頭を悩ませながらも、その時間がまた楽しみになるのでした。

 冒頭で先生のお話にもあったように、人間ドッグとして今回の結果を見たのならば、特に言及されることもなく、以前と変わらない食生活を過ごしていたことでしょう。しかし今回のアンチエイジングドッグで、今の私の身体に何が不足していて何が必要なのか、早速ピンポイントで知ることができました。

 当初の不安も消え、早く次の診断結果が聞きたいと前のめりなBさん。次回のレポートでは、週末の楽しみである飲酒が、身体にどのような影響を及ぼしているのか、検査結果と共にご報告いたします。

POPULAR TAG

タグ

TOP