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山本 順寛 先生

山本 順寛 先生

2021年度 抗加齢医学功労賞 受賞


山本 順寛 先生
日本抗加齢医学研究会設立当初、2001年より幹事(現理事)、2015年まで理事を歴任され日本抗加齢医学会発展に寄与されました。活性酸素研究ならびにコエンザイムQ10に関する正しい知識の普及、基礎研究にて多大な功績を残されています。



 2021年度の抗加齢医学功労賞を頂戴した山本順寛です。日本抗加齢医学会には、渡辺慶一先生に誘われて前身の日本抗加齢医学研究会から参加させていただきました。そして、2001年6月の都市センターホテルにおける第1回日本抗加齢医学研究会では「健康と美を護る抗酸化物質」と題して講演をさせていただきました。その時の抄録は以下の通りです。

 寿命3年のネズミを100%酸素下で飼育するとわずか3日しか生きられないことは、酸素が我々にとって潜在的な毒性を持ち、老化を加速することを示している。このような酸素の毒性には一重項酸素、スーパーオキシド、過酸化水素、ヒドロキシルラジカルなどのいわゆる活性酸素・フリーラジカルにより引き起こされる脂質の酸化を抑制するために抗酸化物質が存在しているが、もっとも重要な抗酸化物質はビタミンE、ビタミンC、還元型コエンザイムQである。これまでビタミンEとビタミンCが大いに注目されてきたが、自ら合成することができるが、加齢とともに減少するコエンザイムQの重要性が認識され始めてきた。また最近フリーラジカルの消去剤が脳障害の改善薬としてはじめて認可された。講演では健康と美を護るための抗酸化物質の基礎と最近の動向についてわかりやすく解説したい。

 世紀の初めに記念すべき講演を行えたことは、現在でも大いに誇りとするところです。コエンザイムQ10とフリーラジカル消去剤であるエダラボンでの貢献は懸命でもありましたが、幸運でもありました。そして初心にかえって、どの活性酸素種が病気や健康にどのような関与をしているかが今後の課題であると考えています。

 その後、会は順調に発展を遂げ、現在の盛会を迎えていることは慶賀にたえません。今後も、より充実した「健康老化」の実現に各位のご努力が続けられることをお祈り申し上げます。

2023年7月10日

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