
還暦を迎え、老いを自覚する場面が増えました。整形外科教授としてロコモティブシンドロームを講じる最中、椅子からの片脚立ちができず、自身がロコモ度1と判明した衝撃は今も忘れられません。
一念発起し、出勤前に週2回の加圧パーソナルトレーニングを開始。当初は筋肉痛のあまり、筋トレ前に消炎鎮痛剤を大量服用し「ノーダメージ」で凌いでいました。しかし、筋肥大の本質は、ダメージによる炎症とマイオカインの放出にあります。痛みを薬で封じ込めることは、成長の芽を摘むことに他ならなかったのです。
現在はプロテインや各種サプリメントを適切に取り入れつつ、1日1万歩の歩行と、名前を逆唱する脳トレを日課としています。また、娘にアドバイスされてのスキンケアや、筋肉痛が手術に支障を来さぬための綿密なスケジュール管理も欠かしません。
加齢を衰えと決めつけず、自らの身体で検証し理解を深める――老いとの知的対話は、いまも静かに更新され続けています。