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第22回 日本抗加齢医学会総会 理事長提言「老化治療のための戦略を考える」講演動画

2022年6月18日(土) 第1会場(5F メインホール(大ホール)) 11:00~11:30

座長:阿部 康二 (国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター)

老化治療のための戦略を考える

山田 秀和 日本抗加齢医学会理事長  近畿大学アンチエイジングセンター

 “老化は病”と提言をしている。2022年からWHOのICD-11を用いて、疾患統計が進められようとしている。老化関連XT9Tのサブコードがふられ、いずれ、行政官たちも老化関連疾患として、がんや心血管疾患や認知症を認識する時期が来る。次のICD-12には、老化は基本コードに入ることになろう。抗加齢医学の究極はPPKであり、健康寿命の延伸には、

 “老化のコントロール”と”若返り“の2つの対応法を進めることになる。つまり、運動・栄養・精神(脳・睡眠)・環境・治療と多くの介入を研究・実践してゆく必要がある。ブルーゾーンの1つである沖縄の方々の昔のライフスタイルを学んでみることも有用だろう。

 本学会としては、対応指針(ガイドライン)の策定中であるが、策定中に議論になったことは、老化評価の問題であった。がんのようなステイジングがないため、介入判定のエンドポイントが死亡率となると、現実的に治験ができない状態となっている。今後は、老化評価(老化のステイジング)が必要となろう。今年度から、委員会を作って策定準備に入りたい。そのバイオマーカーの一つがEpigenetic Clockを含むAging Clock である。この領域の進歩が早いことから、抗加齢ゲノム委員会での学習も会員にとっては大変重要であろう。

 SDGsの目標を掲げ2021年からWHOの”agingと戦う“ 活動がスタートしたが、世界中から心配されているように、日本が最も老化問題に対応すべき国家である割には、老化研究は再生医療も含めて資金が不十分である。老化研究と実践においては、一般社会への“老化が病”という理解と産業界からの資金導入が急務である。

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