日本抗加齢医学会 2018年度第3回メディアセミナー開催報告② 見た目のアンチエイジング研究会・抗加齢ウィメンズヘルス研究会 最新情報
- イベントレポート
- 2019年4月1日
70歳以上の双子を対象としたデンマークの研究で、実年齢よりも若く見える人は長生きする傾向や、双子のうち老けて見えたほうが早死にする傾向が示されました。「見た目」も全身の一部であり、全身が老化すれば見た目も老化するということです。
本研究会では、見た目のアンチエイジングを「加齢による皮膚の変化」「加齢による容貌の変化」「加齢による体型の変化」の3つに分け、それぞれに応じた手法を追求しています。
女性の関心が高い皮膚の変化に対しては、化粧品、ヒアルロン酸、コラーゲン、ボツリヌス毒素、しわ取り手術などがあります。容貌の変化については近年、皮膚、皮下組織、筋肉だけでなく、骨が吸収されて眼窩が広がることが指摘されています。顔の骨粗しょう症によるもので、鼻やあごの骨も吸収されることから、骨粗しょう症の予防が解決策になりえます。すでに生じた顔の骨の変化には、代用物の注入などを行います。
昨年、厚生労働省が策定した医療広告ガイドラインでは、広告で「アンチエイジング」という言葉を使用することが不可とされました。具体的な診療内容を説明すればよいとされますが、本研究会は、広告使用不可に関する意見書を提出しています。
太田博明先生もおっしゃられていましたが、「見た目」はメディカルタームとして認知されてきており、全身の老化を示す一つのバイオマーカ―として捉えられます。
2018年は、後期高齢者の人口が前期高齢者を上回ったエポックメイキングな年でした。2020年は、女性の過半数が50歳以上になるとされています。人生100年時代を迎え、我々産婦人科領域の医療従事者は、中高年女性の健康管理を、女性ホルモンであるエストロゲンを軸に考えていく必要があります。その理由として、閉経移行期のエストロゲンの「ゆらぎ」とその後の完全な減衰によって、全身の様々な部位に影響が及ぶことが挙げられます。
特に、完全にエストロゲンが減衰した後は心血管疾患が問題となります。日本人の死因第1位は「がん」ですが、女性のみでみると、心血管疾患が最も多くなっています。心血管疾患のリスク因子は、そのほとんどがエストロゲンと何らかの関連があるのです。
また、認知症の有病率も女性の方が高く、これはエストロゲンの低下でその神経保護作用も低下するためと考えられます。腟粘膜や外陰部皮膚も女性ホルモンの作用を受けており、米国の調査では、閉経後の女性の半数近くが腟乾燥感や性交痛などを感じていました。診察の場で言う人は少ない症状ですが、悩んでいる人は多いと思われます。
ホルモン補充療法(HRT)については、歴史的に有効性と副作用の評価が大きく振れてきましたが、現在では、閉経前後または閉経後まもなくHRTを始めて継続するなら、メリットがリスクを上回るという考えがコンセンサスです。
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