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日本抗加齢医学会 2018年度第4回メディアセミナー開催報告① 泌尿器抗加齢医学研究会・抗加齢内分泌研究会 最新情報

2019年2月18日(月) 14:00-16:30
日本橋ライフサイエンスビルディング201 会議室
主催:一般社団法人日本抗加齢医学会 広報委員会

泌尿器抗加齢医学研究会 最新情報
男性のための理想的なライフスタイル

泌尿器抗加齢医学研究会 世話人・事務局長
獨協医科大学埼玉医療センター 泌尿器科 准教授
井手久満

 中年期以降にテストステロンが低下するのが「加齢男性性腺機能低下症候群(LOH症候群)」で、いわゆる男性更年期です。前立腺がん、うつ、骨折、心血管疾患、糖尿病などとの関連も指摘されています。肥満や高血圧といったメタボリックシンドロームの因子が増えれば増えるほど、テストステロン値が低下しますし、テストステロンの低い前立腺がん患者さんは、がんの悪性度が高いことも分かっています。
テストステロンの低下による症状は精神的、身体的、性的と多岐にわたります。17項目の設問でそれらを把握する「Aging Male’s Symptoms(AMS)スコア」が国際的に使われています。
LOH症候群に対するテストステロンの補充で、体重減少、血糖値低下、腹囲減少、血圧低下などの効果が示されています。ただし、有害事象もありますので、適切に用いることが重要です。私たちは「AMSトラッカー」というアプリを開発し、設問に回答することでテストステロンの使用量の最適化を試みています。
テストステロンが低下する要因の1つに肥満があるので、食事、運動、睡眠も重要です。私たちはヘルスログシステムを開発しており、将来は、食事の写真と対話アプリを通じて栄養士が指導するようなシステムを目指しています。
テストステロンの機能を健康長寿に役立てるエビデンスを積み重ねていきたいと思います。

抗加齢内分泌研究会 最新情報
メラトニン研究の最新情報

抗加齢内分泌研究会 代表世話人
東京医科歯科大学教養部 生物学分野 教授
服部淳彦

 メラトニンは脳内で分泌される物質で、3~6歳をピークに加齢とともに減少します。メラトニンの受容体は全身に存在しますが、受容体の異常で情報が伝わらないと、疾患のリスクになると考えられます。例えば、メラトニンが低い人は2型糖尿病になるリスクが高まるとの報告があります。
メラトニンは極めて強い抗酸化効果があり、記憶障害を抑制する効果があり、すでに認知症に対する研究が進んでいます。
これらはメラトニンの長期投与で得られる効果ですが、最近私たちは、メラトニンの脳内代謝産物であるAMKをたった1回投与することで、加齢に伴う記憶力低下を回復させることを突き止めました。短期記憶は、学習を繰り返すことで固定され、長期記憶になりますが、AMKは、必要な時に1回投与すると脳内に到達し、短期記憶から長期記憶への固定を誘導すると考えられます。マウスの実験では、学習の15分後に投与するのが最も効果的でした。ヒトでも長期記憶誘導作用があるかを検討するところです。
例えば、高齢者が久しぶりに家族と会う前あるいは会った直後にAMKを飲む、あるいは塗れば、1時間や2時間で忘れてしまうかもしれない記憶を長期に維持できると考えられます。他にもAMKは、ビジネスマンや受験生向けのサプリメント、認知症・軽度認知障害向けの医薬品など様々な用途で有望です。

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