本学会について

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理事長から/組織図/会員数推移/設立趣旨

理事長挨拶

森下 竜一

 人は誰もが、健康で、若々しく、美しく、そして生きがいを持って人生を楽しみたいと願っています。それは、年齢や性別を問わず、誰もが抱く自然で普遍的な願いです。

 日本抗加齢医学会は、この人類共通の願いを科学的根拠に基づいて支え、その実現に貢献するために設立されました。

 日本は世界有数の長寿国となり、人生100年時代を迎えています。しかし、私たちが目指すべきものは、単なる寿命の延長ではありません。健康で、自立し、活動的で、若々しく、美しく、自分らしく人生を楽しみながら、生きがいを持って豊かな時間を過ごすこと。そのような「健康で長寿」と「幸せで長寿」を実現する社会を築くことが、私たちの使命であると考えています。

日本抗加齢医学会は、「老化を科学する」を基本理念として、医学、歯学、薬学、栄養学、運動科学、社会医学、環境科学、さらには情報科学・データサイエンスなど、多様な分野の専門家が集い、学際的な視点から研究、教育、そして社会実装に取り組んでまいりました。

 私たちが考える抗加齢医学とは、単に老化を遅らせる医学ではありません。老化という生命現象を科学的に理解し、その進行を適切に制御することで、加齢に伴う疾患を予防し、身体機能、認知機能、口腔機能、皮膚や血管の健康、さらには心の健康や社会とのつながりを維持し、一人ひとりが生涯にわたり健康で、若々しく、美しく、活動的な人生を送ることを支える総合医学です。

 近年、老化研究は大きな転換期を迎えています。細胞老化、慢性炎症、免疫老化、オートファジー、腸内環境など、老化の根本的な仕組みが次々と解明されるとともに、SGLT2阻害薬やGLP-1受容体作動薬に代表される既存治療薬についても、糖尿病など個別疾患の治療を超え、加齢に伴うさまざまな疾患の発症や進展を抑制する可能性が示されつつあります。これらの新しい知見は、「一つの病気を治療する医学」から、「老化による疾患の連鎖を制御し、人々の健康と活力を守る医学」への新たな展開を示しています。

 さらに今日、人工知能(AI)とデジタルトランスフォーメーション(DX)が、老化研究と医療のあり方そのものを大きく変えつつあります。ゲノム、エピゲノム、タンパク質、代謝物といった膨大なマルチオミクスデータをAIが統合的に解析することで、これまで捉えきれなかった老化の全体像が次第に明らかになっています。とりわけ、エピゲノム時計をはじめとする「エイジングクロック(老化時計)」によって、個人の生物学的年齢を定量的に評価し、予防や治療といった介入の効果を客観的に検証することが可能になりつつあります。ウェアラブル機器やデジタルバイオマーカーを用いた日常的な健康モニタリング、AIによる新薬開発、そしてDXがもたらす予測・予防型かつ個別化された医療は、一人ひとりに最適化された新しい抗加齢医療への扉を開こうとしています。

 加えて、老化研究は今、「老化を遅らせる」段階から、「老化を巻き戻す」という新たな地平へと歩みを進めつつあります。細胞の初期化技術やエピゲノムの部分的リプログラミングに関する研究は、老化が必ずしも一方向の不可逆な過程ではなく、その一部が制御可能であること、さらには若返り、すなわちリバースエイジングの可能性をも示唆しています。再生医療や幹細胞研究との融合により、加齢によって低下した組織や臓器の機能を回復させる試みも、現実味を帯びてきました。もとより、これらはなお慎重な科学的検証と倫理的配慮を要する発展途上の領域です。しかし、確かなエビデンスに基づいてその可能性を追求することは、これからの私たちに託された新たな使命であると考えています。

 私たちは、老化によって引き起こされる多様な変化や疾患を科学的に理解し、その進行を適切に制御し、ときにその一部を巻き戻すことを通じて、健康寿命だけでなく、若々しさ、美しさ、幸福感、そして人生を楽しむ力を維持し、高めていくことを目指しています。

 そのためには、基礎研究の成果を厳密な科学的検証を経て臨床へ橋渡しし、エビデンスに基づく予防、診断、治療法を社会に提供することが不可欠です。また、医療従事者のみならず、産業界、行政、教育機関、テクノロジー分野、そして国民の皆様と連携し、AIやデータを賢く活かしながら新しい価値を創造し、健康長寿社会の実現に貢献することも重要な使命であると考えています。

 日本抗加齢医学会は、これからも学際的な知識と最先端の科学、そしてAI・DXの力を結集し、「加齢に伴う疾患を予防し、人々が健康で、若々しく、美しく、活動的で、幸福に、自分らしく生きる時間を延ばすこと」を通じて、豊かで活力ある社会の実現に貢献してまいります。

 老化は誰にも訪れる自然な生命現象です。しかし、その仕組みを理解し、適切に向き合い、科学とテクノロジーの力によってその影響を制御し、ときに巻き戻すことで、人生はより健やかに、より豊かに、より輝くものになると私たちは信じています。

 抗加齢医学とは、単に年齢に抗う医学ではありません。健康を守り、活力を育み、美しさを支え、生きがいを高め、人々が自分らしく幸せに年齢を重ねることを支える医学です。
日本抗加齢医学会は、その理念を礎として、AIとDXを羅針盤とし、健康長寿、若々しさ、美しさ、そして幸福長寿を実現する新しい医学を創造し、未来の社会に貢献するため、これからも挑戦を続けてまいります。

2026年7月
一般社団法人日本抗加齢医学会 理事長

森下 竜一
大阪大学大学院医学系研究科臨床遺伝子治療学寄附講座 教授



組織図


会員数推移

設立趣旨

2001年日本抗加齢研究会設立時には、すでに予見されていた超少子高齢化社会と老 人医療費の増大。 国民皆保険制度を有する我が国の福祉政策は、いずれその転換を迫 られるといった状況でありました。 そのような中、医師ならびに医生物研究者らが中 心となって設立した目的は、加齢現象や老化の研究が進む中、 老化の病的プロセスを 予防する抗加齢医学を積極的介入する方法を基礎医学的、臨床医学的に追求して実践 することにより、 生活者のQOL(Quality of Life)の向上を図る。 そして抗加齢医 療の提供により健康長寿を国民が享受し、老人医療費増加度の抑制、生産人口年齢の延 長、 労働力の確保といういわば国家戦略的な目的であります。 医学界ならびに社会 で認められるために、抗加齢医学に関する正確なデータを集積し、正しい情報を伝え、 科学的根拠・事実に基づいた医療としての確立を目指していくと同時に、人々に受け入 れられる医療となることを目指し活動を続けてまいります。

抗加齢(アンチエイジング)医学の独自性

1、健康寿命を延長するための予防医学・健康寿命を延伸する医学
抗加齢医学の研究は、出生から死亡に至るまでの様々な過程で生じる現象を科学的に 捉える上で、 非常に有意義でありその成果は生活習慣病をはじめとする様々な疾患を 予防し、ストレスや疲労、 免疫低下などの疾病発生促進因子を改善し、健康長寿を享 受することを目指す理論的・実践的科学であり、 これこそが抗加齢医学の定義であり ます。そして抗加齢医学的に重要なのは長寿の質です。 高齢者のQOL(Quality of Li fe)を向上には、アンバランスで病的な老化を早い段階から積極的に予防し、 健康寿 命を延長することにあります。

2、学祭的に捉える学問
抗加齢医学の独自性はこれまでの治療医学にみる縦割りの隔てを取り除き、多領域に わたる横断的、 集学的に研究することにより老化の関連性を把握できるにあります。  抗加齢医学の研究は、遺伝子や細胞レベルから動物やヒトの個体レベルまで幅広く、 生化学、生理学、 臨床医学など複数領域の医学にとどまらず、化学、物理学、農学、 薬学など他分野に係っています。 一方で実践は、栄養学、内分泌学を用いた補充療法 と運動・休養などの生活習慣の改善によって老化をどのようにコントロールできるかにあるのです。

3、生活者に積極的に行動変容を起こす医学
人は誰でも健康長寿を望んでいます。これまでの病気を治す医療から、老化による疾 病を予防し、健康寿命を延長することは、 人々が受け入れやすく、生活習慣の改善など 積極的な行動変容を起こす医学となりえます。


理事長 記事

■2023年6月10日 第23回日本抗加齢医学会総会
 理事長提言 暦年齢から生物学的年齢へ 
 講演内容はこちら(PDF)(動画)から

■2022年6月18日 第22回日本抗加齢医学会総会
 理事長提言 老化治療のための戦略を考える 
 講演内容はこちら(PDF)(動画)から

■2021年6月26日 第21回日本抗加齢医学会総会
 理事長提言 次世代医療はさらに個別医療に。 個別医療を支えるのはゲノム情報 
 講演内容はこちら(PDF)(動画)から

■朝日新聞 Reライフ

・朝日新聞 2021年3月14日 朝刊 (朝日新聞社に無断で転載することを禁じます)
・承諾番号 21-1201

■2020年9月26日 第20回日本抗加齢医学会総会
 理事長提言 抗加齢医学の地平を開く 
 講演内容はこちら(PDF)(動画)から

■2020年3月30日 読売新聞朝刊(全国)10面
 企画広告 免疫力をアップし、健康を維持!
 掲載内容はこちら(PDF)から

■2019年6月14日 第19回日本抗加齢医学会総会
 理事長提言 アンチエイジングのエビデンスを探そう 
 講演内容はこちら(PDF)から

■2018年5月25日 第18回日本抗加齢医学会総会
 理事長提言 講演内容はこちら(PDF)から

■日本臨牀76 巻増刊号5 (2018年6月30日発行)
 老年医学(上)-基礎・臨床研究の最新動向-
 I.老年医学・老化研究の展望 に 「抗加齢医学と老年医学」が掲載されました。
 掲載内容はこちら(PDF)から