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自由診療特に再生医療に関する安全性の注意喚起について

一般社団法人日本抗加齢医学会
会員各位

自由診療特に再生医療に関する安全性の注意喚起について


 日本抗加齢医学会では2022年12月~2023年1月に会員に向けて「医療機関で提供しているアンチエイジングを目的としたエイジングケア療法に関する」アンケートを実施いたしました。その結果を分析し、会員の皆様に向けて、第23回日本抗加齢医学会総会では、教育プログラムとして、医療機関で提供しているエイジングケア療法に関するアンケート結果の考察と題して、今後の対応について発表しました。
 また、倫理・利益相反ワークショップとして自費診療(美容医療・再生医療)における適正な広告活動と題して啓発活動を行い、さらには、10月15日の学会主催の講習会において、「安全に進めよう!自由診療」として注意喚起を行いました。

 抗加齢医学は、加齢に伴う様々な疾患や症状の予防・治療・改善を目的とした医学の分野です。日本抗加齢医学会総会や講習会では、新しい医療行為の安全性について常に研修を進めておりますが、社会に対して会員の皆様が安全に抗加齢医療を実践できるよう以下の安全へのご理解をお願いします。

 医療水準として未確立の療法につきましては、その有効性・安全性について、エビデンスに基づく十分な検討をお願いいたします。特にNMN点滴療法、幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与につきましては、医療水準として未確立の療法であり、その有効性・安全性について、エビデンスに基づく十分な検討をお願いいたします。

 なお、当学会では、NMN点滴療法、幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与について、その有効性・安全性について、推奨するに足りるエビデンスが確認できていないことから、現時点では、これを推奨いたしません。
 また、NMN点滴療法、幹細胞培養上清液及びエクソソームの静脈投与に使用する医薬品については、人体に投与することを前提としない試薬等として流通しているものを医師が自らの責任において使用しているものと推察しておりますが、NMN等点滴をはじめとする試薬については、人体に投与した場合の安全性について懸念があることから、これらの使用に当たっては、関連法規を十分御理解の上、慎重にご検討いただくことをお願いいたします。

 試薬名目であっても、疾病の治療等に用いる目的でこれを譲渡することは、医薬品医療機器等法が禁止しているところですのでご留意ください。

 

2024年3月1日
一般社団法人日本抗加齢医学会 理事長 山田 秀和