超高齢化社会を迎える日本にとってQOLに直結する感覚器医学はさらに重要な分野となるが、眼科学はその中でもっとも大切な分野と考えられている。加齢性黄班変性症、ドライアイ、緑内障、白内障、老視をはじめとしてたくさんの疾患が加齢と直接結びついており、眼科領域においても加齢に対抗する抗加齢医学研究が注目を集めている。眼抗加齢医学研究会では、眼科領域における加齢と老化のメカニズム研究を促進するとともに、それを基とした診療体制の構築を会の目的としている。
食べる。味わう。話す。笑う。私たちが日々特に意識をせずに行っているこれらのことが、できなくなってしまったとしたら…。口は、身体機能の維持やQOLに深く関わっている器官。それだけに、口腔の老化は身体機能の維持やQOLを低下させるだけでなく、メンタルヘルスにも影響を及ぼす一大事となる。抗加齢歯科医学研究会は、歯科医師ならびに歯科衛生士をはじめとする歯科医療従事者で活動している。口腔だけでなく全身、メンタル面を視野に入れたアンチエイジングを歯科医療で実践し、その重要性を広く普及するために、さまざまな活動を行っている。
加齢のメカニズムが解明されつつあり、加齢を主体とした予防医学であるアンチエイジング医学が注目を集めている。加齢現象を考えるとき、大きな変化の表れる「見た目」を1つの指標とし、研究、検討することを目的として活動を進めていく。抗加齢医学の領域で、外見へのアプローチとしての診療を行うのは、皮膚科、形成外科が主だった専門領域となるが、サイエンスに基づいた研究の領域と、臨床として実際に行われていることの間のディスカッションを深め、加齢現象における見た目についての介入を研究する会としたい。
抗加齢内分泌研究会は、「メラトニン」「DHEA」を中心に抗加齢効果が期待されるホルモンの基礎・臨床に関わる新しい研究を紹介し、内分泌機構全体のネットワーク、相互作用、加齢性変化の研究を促進するとともに、年齢とともに減っていくメラトニン、DHEAを減らさない、あるいは増やす生活スタイルを提案し、さらには臨床試験についても検討していきたいと考えている。
近年の日本女性における高齢化と上手に付き合える生活習慣環づくりを目指した医療とともに、女性ホルモンの低下に基づく各種疾患のうち、骨と血管の老化予防医学・抗加齢医学を中心に女性医療に関する基礎的・臨床的に最先端の情報を提供していく。これらによって女性の生涯に亘る健康を広く支援し、女性の健全老化に貢献していきたい。
泌尿器科学は、前立腺がん、膀胱がん、排尿障害、男性更年期障害、EDなど加齢と関係のある疾患が多く、またメタボリックシンドロームとの関連についての研究報告など、泌尿器科領域の抗加齢医学研究が昨今注目を集めている。そのため泌尿器抗抗加齢研究会は、従来の泌尿器科における臓器や部位別の研究を超え、内分泌からメンタルまでを視野に入れた、身体全体を包括的に捉えた泌尿器科学研究と泌尿器科領域における加齢と老化のメカニズム研究を促進していく。
高血圧、虚血性心疾患、不整脈や高血圧や不整脈などに起因する脳血管障害、認知症など加齢と関係のある疾患が多く、またメタボリックシンドロームやCKDとの関連についての研究報告など、脳・心血管領域の抗加齢医学研究が昨今注目を集めている。脳心血管疾患抗加齢研究会では、脳・心血管疾患領域における加齢と老化のメカニズム研究を促進するとともに、学会との連携をとりながら、他専門分野との横断的な臨床および基礎研究を行い、脳心血管疾患抗加齢医学分野の知識・技術向上を図り活動していく。
超高齢社会に突入し、運動器の加齢変化にまつわる障害で満足のいく移動能力を保持できない高齢者、自立した生活が送れない 高齢者が増加し、社会的な問題となっている。運動器抗加齢医学は運動器の加齢に伴う機能低下の病態と機序を解明し、食事や サプリメント、運動療法、物理療法、さらには投薬介入など多方面からのアプローチで運動器のアンチエイジングに迫り、有効な 方法を探ります。
さらに運動器とその他臓器の加齢との関連を明らかにして運動器の機能低下が全身の健康に与える効果についても探求します。
運動器のアンチエイジングが果たす役割を遂行して高齢者の自立、国民の健康長寿、医療経済の好転に寄与することを目指します。